アリスのお茶会

続・続・馬鹿  乙女の怒り 

「お嬢ちゃん俺らと遊ばなーい?」
 どっと脱力するようなうすら馬鹿の声。
 同じ馬鹿でも、ガウリイの馬鹿さとは意味が違う。ガウリイの脳みそはぐにゃんぐにゃんなだけ。こいつらの脳みそはしっかり腐っている。
 普段から時々コナをかけられることはあったが……そーかー。今のあたしはこいつらにとっても完全無欠の美少女なんである。いや元から美少女だけど。
「無視しないでよ、遊ぼうぜ?」
 あたしは盗賊をいじめるのが趣味だが、あいつらは悪人だからぷちつぶしても誰からも文句を言われない。こいつらも悪人といえば悪人だが、大きな違いがひとつある。
 しばき倒しても金を持ってないのである。
 無償労働なんてヤダ。
「なぁなぁ、暇なんだろ? どこ行くの? ちょっと遊んでこう?」
 大体この格好で暴れたら洗濯の手間がけっこうかかりそうである。重い布っていうのはしみ抜きも面倒だし、丈があるから普通に洗うだけで大変だ。
 動きにくいだけじゃなくて、やっぱりこういう格好は立ち回りに向いてない。
 汚したら計画が成り立たなくなるしなぁ……。
 スカート姿でごろつきをしばく美少女っていうのは、なんか違うよなぁ。
「無視すんなって言ってんだろ」
 あ、むかっ。
 ごろつき兄ちゃんがこのあたしの可憐な腕をつかみよった。
 仕方なく足を止めて見てやったが、兄ちゃんたちは6人連れ。そこそこ喧嘩慣れしているよーだが、命のやりとりをくぐりぬけてきたあたしとは所詮格が違う。そらもー赤子と大人くらいに。
 あたしの腕を力任せにつかんだ兄ちゃんは、たぶんリーダーとゆー奴なのだろう。もっとも体格がよく、野性的な顔つきがハンサムと言えなくもない。もちろんガウリイの足元にも及ばないが。これは欲目とかじゃなくて。
 慌ても騒ぎもしないあたしに、兄ちゃんは少しプレッシャーを感じているようだった。やたらにすごんできたりする。
「澄ましてんじゃねぇよ! 俺らが誘ってやってんだぞ! 返事はどーしたんだよ? ああ?」
 あたしはほぅとため息をついた。
「相手にその気があるかどおかも分かんないよーじゃ、あんたち一生モテないわよ。お気の毒さま」
「な、なんだとこのアマっ!」
「あ、ついでにもうひとつ。そーゆーありがちなセリフじゃ乙女心はくすぐれないからね。覚えとくといいわ。まぁあんたたちの頭じゃ覚えきれないかもしれないけど……」
「言わせておけば……っ」
 いつも思うのだが、言わせておけば、っていつ彼らがあたしの話を聞いたというのだろう。
 類似品に『下手に出ればいい気になって』があるが、そういうことを言うやつに限って始めっから居丈高である。
 要するに、自分が手加減してやってるから相手は強気に出られるんだ、そうじゃなければこいつなんか、と思いたいんだろうなー。
 んなつまんないプライドに付き合ってやる理由なんぞはないけど。
 チンピラ兄ちゃん風情、魔法を使わなくてもじゅーぶんあしらえる。あたしは腰のショートソードを抜き放ち……って、ショートソードがないぃっ!?
 あ、しまった。着替えたから全部袋の中だ。うみゅう……。
 しょーがないなぁ……。
「今さらお祈りかぁ!? もー許してやんねぇよ!」
 リーダーの言葉に合わせて笑うチンピラ一同。
 はいはい。お祈りと混沌の言葉の区別もつかないくせに、威張るんじゃないの。
 掴みっぱなしだった腕を引っ張って、兄ちゃんはあたしを壁際に押し付ける。ちなみに、ここは往来である。辺りの通行量は多くないが、時々通る人たちが顔をしかめている。1人くらい助けてくれようとしてもよさそうなものだが、誰も止めに来ないってことは、この辺ではそこそこ有名なチンピラなのかもしんない。関係ないけど。
 兄ちゃんがドレスの胸元に手をかける。
 しかし、呪文はすでに完成している! 見よ、この早口!
「爆烈陣!」
「何ッ!?」
 くくくく。今ごろ慌てたって遅いわぁっ。
 あたしを中心に円形の地面が塵を飛ばす。
 ぽしゅぅぅぅぅぅっ。
 ……え。
 あれ?
「な、なんだコケおどしじゃねーか! 驚かせやがって」
 冗談ではない。
 この爆裂陣、あたしの使える術の中では威力が低めなため、対頑丈そうな相手ツッコミ用の技として活用している。
 が、しかし。かなり当たり所が悪ければ死んでしまうこともあるとゆー、ちと強烈なツッコミ技なのだ。あたしだって、こういうムカつく相手を吹っ飛ばす時か、ガウリイ辺りの丈夫な人間にジョークで使うくらいである。コケおどしなんてとんでもない。
 兄ちゃんたちはビビったのか2歩ばかり後ずさっているが、けして呪文の威力で飛ばされたわけではない。
 ……これは、あれだな。
 いつの間にかあの日になってたのか。
 少々、形勢が悪くなった。
 剣も魔法もなく非力なあたしが1人、とゆー状況で『少々』なのか? といえば、もちろん『少々』である。『わずかに』と言ってもいい。
「その程度の魔法で粋がってんじゃねーぞ?」
 あたしの実力程度を見極めたつもりなのか、兄ちゃんの言葉に余裕がにじむ。
「俺らがもっと楽しー魔法を見せてやるぜ? 一晩中さぁ。なんてな」
 どっと爆笑する馬鹿ども。
 んなもん、無視である。
「明かり!」
 あたしは光量を上げた明かりを放った。
 こういう場合目くらまし用に使うのが一般的だが、残念なことに兄ちゃんたちは人数が多く、あちらこちらを向いている。奇襲戦法というのはかわされたらおしまいだ。
 あたしが明かりを放ったのは――頭上。
「おいおい、ひどいコントロールだなお嬢ちゃん」
 光球は屋根スレスレの上空をあたしの右手方向へ斜めに飛んだ。そして、短時間で消える。
 もちろん、コントロールは完璧。
 右手方向というのはあたしが進んでいた方向、つまり宿のある方向である。
 信号弾だ、と言えば分かってもらえるだろうか。
「オラ来いよ、あきらめろっての」
 あたしを与しやすしと見てか兄ちゃんは乱暴に手を伸ばしてくる。
 周囲を男たちに囲まれて、あたしは1歩も動けない。横には。
 兄ちゃんの手がふれる直前で素早くしゃがみこみ、それを避けた。兄ちゃんは手が空振って体勢を崩す。すかさず、しゃがんだまま体を反転させ、伸び上がる動作を利用してその腹に肘鉄を叩き込んだ。
「うぐっ」
「な……っ?」
 くずおれる兄ちゃん。
 あたしはそこを突破口にして包囲を抜ける!
「逃がすか、貴様!」
 当然そーだろうとは思ったけど他の兄ちゃんたちがすぐにあたしの四方をふさぐ。
 しかし、予想済み!
「明かり!」
 今度こそ、目くらましである。対象は正面の太り気味な兄ちゃん。
「ぐわっ」
 光量最大の明かりを食らって視界を失った兄ちゃんの横を、あたしは迷わずすり抜ける。
 明かりくらいしかろくに使えないからと、馬鹿にしてはいけない。頭は使いよう、喧嘩は戦術である。
「何しやがった! くそ、許さねぇぞ!」
 2人はしばらく参加できないとして……体格のいいのが残り4人。
 威力の強い呪文が使えない今では、少々面倒な人数である。せめてショートソードが使えれば、剣技だけだってチンピラに遅れを取るあたしではないのだが……。
 すぐ追いつかれるのは承知の上で、あたしは宿の方向に距離を稼ぐ。
 たぶん、もうすぐである。
「リナっ!?」
 ほら来た。
 破壊力最強、脳みそはゼリーだが戦闘の時限定で人間並み、あたしの最終兵器、ガウリイ!
「と……なんだ、チンピラか……」
 立ち止まってぽりぽりと頭をかいたりなんぞするガウリイ。
 つーか被保護者が男どもに襲われてるってーのに、心配しやしないというどーしよーもない自称保護者!!
「焦って来てソンした……。なんでスカートなんかはいてそんなのと遊んでるんだ、リナ?」
 ――普通。
 お洒落した可憐な少女が屈強な男たちに腕を掴まれてたりしたら、彼女にのんびり話しかけたりするだろうか?
 しかもそれがずっと旅をしている相手で。現在微妙な関係にあったりして。
 いやもちろん彼の意思を確認したわけではないが、あたしは勝算もなく勝負に出たりしない。それなりの自信あっての告白である。
 別に『オレの女に手を出すな』なぞと寒いセリフを言われたいわけではないが。なんというかこれはあまりにも。信頼されてるって言えば聞こえがいいが、女扱いされてないともゆう。
「見捨てられちまったなぁ、お嬢ちゃん?」
 一瞬呆けたために呪文を準備するのを忘れてしまった。
 男の1人があたしの腕を掴み、他の1人が口を塞ぐ。威力が低くても呪文は危険だと悟ったのか。気づくのが遅すぎるが。
「まぁそれが利口ってもんよ。俺らに喧嘩を売ろうなんて、百年早いぜ」
 百年早いのはどっちだー!
 言ってやりたいが、もごもごという声にしかならない。
 まぁとにかくひざ蹴りで眼前の男を撃沈し、口を押さえてきた男にエルボーを食らわす。が、悲しいかな、威力が弱い。1人やる間に1人復活し、なんだかんだで抵抗むなしく4人がかりで拘束されてしまったのだからあまりに情けない。
 ここに至って、ちらりと見えたガウリイの瞳に何かおかしいという色が浮かぶ。
 ああっ! 意地を張らずに助けてくれって言えばよかったかもっ!
「お嬢ちゃんも、おとなしくしてれば楽しませてやるから、さぁ!」
 首近くまでぴっちり閉まっていた服に、チンピラ兄ちゃんの1人が手をかける。
 せっかくのお洋服がぁ! ……ってそうじゃないだろあたし。
「おいおい、そのくらいにしとけよ」
 ガツン、と鈍い音がした。あたしの後ろにいた加害者の兄ちゃんがふといなくなる。あ、殴られて倒れたのね。
「邪魔すんじゃねぇよ!」
「悪いが、オレはこの子の保護者なんでな」
 黙って見てたくせに。
 かかっていくチンピラ兄ちゃん3人を、剣も抜かずに軽く翻弄するガウリイ。全部の攻撃をかわして、1人の襟元をつかんだ。
「ところでお前ら、リナ=インバースって知ってるか?」
 あ、ヤな退治法を選んだ。
「あ? 当たり前だろ。知らねーヤツはいないぜ、あの破壊の申し子をよぉ」
「そのリナ=インバースが、年の頃は10代後半の、ちびっちゃい栗毛の女の子だってことはどうだ?」
「知ってるっての。ダテにシマ張ってねぇよ。何なんだよ馬鹿かお前!」
「リナ=インバースの保護者だ」
 目が点になる兄ちゃんたち。
 一瞬の後に、爆笑する。
「このお嬢ちゃんがぁ? 冗談もたいがいにしろよ」
「冗談だと思うか?」
 ガウリイが腰の剣を鞘ごと抜いて、あたしに差し出す。片手で胸元を押さえながら、黙って受け取った。
「お、おい……」
「そう思うなら、試してみたらどうだ? 呪文で制裁されるよりはマシだと思うが」
「ガウリイ。呪文はダメよ、今」
「ああ、何だ……そーゆーことだったのか。手こずってるからどーしたのかと思った」
「あたしも使ってみるまで気付かなかったのよねー」
 ぎぎぎっと固い動きで兄ちゃんたちがあたしを見る。
 今までのあたしたちの不審な動きなどを思い出したのかもしれない。
「リナ=インバース……? マジで……?」
「よかったわねぇ。あたしにしばき倒されたことがあるって、きっと話のタネになるわよ♪」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 わざわざ剣を抜いてやるまでもなかった。
 兄ちゃんたちは青くなり、その場に平伏して謝り始めた。ガウリイが公平にゲンコツをくれてやって、その場はおしまいである。ずいぶんと平和に収まったもんだ。あたしの腹の虫は治まらないけど。
 連れ立ってまろぶように逃げていくチンピラたちを見送り、あたしは服のほこりをぱたぱた叩いた。もちろん片手は胸元を押さえたままである。
 ガウリイがあたしの手から剣を取り返して、元通り腰に差した。




「よっきゅうふまぁぁぁぁぁぁんっ!!」
 宿の部屋に帰るなり、あたしは叫んだ。なぜか、ガウリイもついてきている。
 ガウリイがのほほんとした顔で瞬く。
「何だ、あいつらとお楽しみでもするつもりだったのか?」
「んなわけあるかぁぁぁぁっ!」
 苛立ちまぎれにガウリイの頭を思い切りどつく。
「いてっ! ジョークだろぉ!」
「言っていいことと悪いことがあるのよ! 特にあたしの機嫌が悪い時にはね!」
「んな自分勝手な……いえ、何でもないです」
 ガウリイはベッドに腰を下ろす。あたしは苛々と部屋を歩き回った。
「なんであんな穏便に収めたのよ」
「そこまでするほどの奴らじゃなかっただろ? 人が見てたから、自警団でも呼ばれたらオレたちが面倒だぜ」
「……だぁぁぁ悔しい」
 ガウリイは大人だ。
 被保護者の喧嘩に手を出したりしないし、周りだってちゃんと見ている。あくまで大人、あたしは守るべき子供。そういうスタンスを崩さない。あーゆー現場を見ても。
 ――あたしが彼を振り向けば、胸元を切り裂かれたあられもない姿に戸惑って目を逸らすくせに。
 知らないとでも思ってるわけ?
 無意識だかどーだか知らないけど、あんたは時々あたしにしっかり女を見てる。
 なのに、いざとなったら大人の態度ですべてをかわす。きっちり子ども扱いしてくる。
「……ねぇ、なんであんたここにいるのよ。着替えたいんだけど」
「ああ……悪い。いや、愚痴が言いたいかと思ってさ」
 口を開きかけ、あたしはそれをやめて唇を噛んだ。
 怒鳴りつけたいほど悔しい。
 あくまでそういう態度を取るわけだ。
「……文句ならあるわよ。山ほどね。早く出てってほしいとか」
「だから悪いって言ってるだろーが。邪魔なら部屋に戻るよ。後でな」
 昼間別れた時と同じ、優しくて素っ気ない仕草。
 軽く手を振って、ガウリイは扉の取っ手を掴む。
 背を向けるまでの一瞬、彼の目の中をよぎった熱いものに、あたしが気付いてないとタカをくくってるんだろうか。見せないよう、背を向けて。優しさで全部押さえつけて。
「いっそのこと、見せ付けてやればよかったかしら。目の前で」
 言葉からあふれる棘。
 ガウリイがゆっくりと振り向く。
 あたしは彼をにらみつけている。
「あのなー……自分は大事にしろよ?」
 返されたのは、そんな穏やかな言葉だった。
 あたしはつかつかと近寄り、開きかけたドアを力任せに閉めた。
「どーして……」
 そしてガウリイの胸倉をつかむ。引っ張っているような格好にしかならないのが様にならない。それがまた悔しい。
「どーしてあんたそんなに我慢強いのよ!? ムカつくならそー言えばいいでしょーが! 子供だからって見下さないでよ!」
「リナ」
「そういう余裕ぶった態度って腹が立つのよ! あいつらもあたしも、同じ子供? 手加減して、見逃してやる相手? あたしはそんなにヤワじゃないわ!」
 ガウリイの青い瞳が、じっとあたしを見下ろしている。
 こんなに近くによっても遠い、その距離があたしとガウリイの差を教える。
 実際、彼から見てあたしは小さいのだろう。あたしが何を主張しても、見守り、穏やかに接してやらなきゃいけない相手なのだろう。
 すっと激情が去る。
「……それに、そんなに幼くもないつもりよ」
「分かってる」
 そーよ、あんたは分かってるはず。
 なのに、取り乱すのを嫌うんだわ。大人の態度で、受け流そうとするのよ。
「馬鹿」
 あたしは言った。
 それが1番こいつにふさわしい言葉だ。
「あんた本当に馬鹿よ。何にも分かってない」
「分かってるさ」
「どこがよ? あたしの告白ひとつまともに理解しなかったくせに」
「理解したよ。ちゃんと答えただろ?」
「答えになってないわよ。大体、理解したんだったら子ども扱いはあんまりじゃない? ああ、それともそっちが返事? あたしはあんたの被保護者だからって」
「そんなこと言ってないだろーが」
「あたしは……あたしはあんたが好きよ」
 勢いに任せて口に出した途端、3度目だというのに顔が熱くなるのを感じた。
 だからあたしはガウリイのシャツを掴みあげた手に力を入れる。
「分かる? 理解できる? 今度こそはっきり答えてちょうだい、ガウリイ。ボケてごまかしたら許さないわ。簡単なことでしょ? こっちから踏み出してあげたんだから」
 その後のことを、理解できなかったのはあたしの方だった。
 なんでガウリイがこちらにかがみこんできたのか。接近しすぎた顔が何のためだったのか。柔らかく唇にふれたものが何だったのか。
「やっぱり」
 ふわ、とガウリイが笑った。
「もしかするとそうなんじゃないかと思ってたんだ。これってすごく簡単なことなんじゃないかってな。やっぱり簡単なんだな。なんだ」
 あたしは答えを思いつかなかった。
 何言ってるの、という言葉も。
 呆然としていたんだと、気付いたのはずいぶん後になってからだった。
「あ、あ、あんたね……っ」
「あの、な。だからオレはちゃんと分かってるし、返事もしたって言っただろ。どう踏み出せばいいのか迷ってたのは確かだが」
 頭の整理が追いつかない。
 とにかく、返事をもらえたのは事実だ。うん。たぶんそう。望んだ形ではなかったが。
 あたしはぼんやりと自分の格好を見下ろす。すっかりぼろぼろになってしまったスカート。
「あ、あたしの努力は何だったわけ……?」
「努力?」
「今日こそ理解させてやろうと思って、お洒落までしてきたのに……」
「そうなのか? わざわざ? 意味なかったぞ」
「うるさい」
 ガウリイは、苦笑して頭をかいた。
「えーとな。あえて言わせてもらうが。あーその」
 言いよどんで、ひとつ咳払い。
「――馬鹿だな」


 あたしはたぶんガウリイの予想通りに怒り狂った。
 でもって、無理矢理に襟を引き寄せて彼の唇に唇をおしつけた。
 ぎょっとしたガウリイの表情に、ちょっと満足して目を閉じる。
 覚悟してなさい。
 いつまでも余裕の態度ではいさせないんだから。



END.

 前に「馬鹿」を発表した後、この設定だとどーやって2人はくっつくんでしょうね、永遠にこのままなのでは、という感想をいただきました。まぁ! 面白いネタを振ってくださったわ、と思いさくさくっと思いついた話だったのですが。
 いつの話だったっけ…それ…。

 原作の第2部で、ミリーナとリナが襲われた後、ルークは「大丈夫か? 怪我はないか?」と大騒ぎだったのに、ガウリイは「やっぱり無事だったか」の一言だった、というシーンがありまして。
 私はそこが大好きで、うちのガウリナはそーいうイメージなのです(^^)。
 こだわりが伝わっていればいいのですがvv

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