アリスのお茶会

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恋愛の掟

presented by ニイラケイ さまvv

「キスして」
「断る」
「・・・・・・・別れる?」
「何故?」
「フツー、恋人へのキスは断らないでしょ?」
「へぇ」
ナルが珍しいものでも見るように、目を細めた。
「その普通の定義は?」
「それが『恋愛の掟』なの!」
「掟?」
「ルールってこと」
「それぐらい解る。一体、誰がそんなものを作ったんだ?僕は初耳だが?」
「あたし」
ナルは呆れたように溜息をついた。

だって、あたしだって恋愛なんてしたことないもん。
だったら『ルール』は自分で作るしかないじゃない。

「で?麻衣流の『掟』では、恋人のキスは断るな、とされてるわけか?」
「そう!『恋人から求められたことを、無下に取り下げちゃ駄目』なの!」
そう言うと、ナルは仕方なさそうにあたしの唇を塞いだ。
ほんの一瞬触れた唇をすぐ離す、おざなりなキス。
「これで満足か?」
「・・・不満」
「何が気に入らないんだ」
「態度!そんな嫌そうにしなくたっていいじゃんか」
「本意じゃないからな」
ナルは素っ気ない。
「あっそう!もう良いよ、ナルの馬鹿」
あたしはそっぽを向く。

ナルがイギリスに一時帰省してて、やっと帰ってきて。
久しぶりに会ったのに。
キスぐらい、してくれたって罰は当たらない。
でも、ナルはあたしとの再会よりも、こっちで溜まった調査書類の方が大事らしい。
(・・・・解ってたけどさ)
書類を隠してやれば良かった、とちょっとだけ思ったけど、そんなことするのも悔しい。

ナルに背を向けて一人、最新刊の文庫を読む。
つまんない。
その文庫がつまらないんじゃなくて、この状況がつまらない。

「・・・・つまんない」
「何が?」
「ナルが構ってくれない」
「そう」
「・・・・浮気してやる」
「だから?」
ナルの冷たい言葉に、胸が痛む。
あたしはナルを振り返った。彼はまだ書類を繰っている。
「・・・・・・・・・浮気しても良いの?」
「駄目だと言ったらやめるのか?」
「やめる」
「『駄目だ』」
「・・・・ナルなんて嫌い」
「そう」

沈黙。

駄目だ、今日はきっと構ってもらえない。
ここにいてもナルの邪魔になって、きっとそのうち不機嫌になる。
(・・・・・帰ろ)

あたしが自分の鞄に手を伸ばしたとき、ナルがぽつりと言った。
「帰るな」
「え・・・?」
聞き間違いかと思って、あたしはもう一度ナルを見る。
ナルは、あたしの方を見ていなかった。
まだ彼の視線は書類の方を向いている。紙を繰る指も、一定の速度で動き続けている。
「ナル?」
「恋人に求められたことは、無下に取り下げられないんだろう?」
まだ、ナルはこっちを見ない。
「・・・・恋人は、ちゃんとしたキスをくれるんだよ」
あたしが言うと、ナルはようやくこっちを見る。
どこか呆れた表情。

僅かな沈黙。

ナルがあたしの方へ手を差し伸べた。
「来い」



あたしは、ナルに従う。


『恋人から求められたことを、無下に取り下げてはいけません』





―――――――――――――――――――――――



何が言いたいんだ私!←いつものことだろ。
こんな・・・こんなのですいません・・・・(猛反省)
一応、成人のお祝いを・・・・・・・・・・・。
そして以前に頂いたイラストのお礼を・・・・。
いやぁ、『恩を仇で返す』の典型になってしまいましたね(涙)

そして実はこの話し、夜ではありません。
真っ昼間という設定です。(裏設定)
・・・ね?
そうやって考えると、あんまり怪しく感じないでしょ??←清純派への返り咲きを狙っている。

・・・・・・・・精進いたしますm(_ _)m

 

(小原の感謝感激のコトバ)

ニイラさん……最高ですよぉぉぉ!!!(o><o)
もうもう、なんとお礼を言ってよいやら、しつこいようですがニイラさんのお話は ぐっとなるくらい! 暴れたくなるくらい! 好みなんです!!(力説)
特にナルがっ!!!(笑)←いつもソレ
恩を仇で返すなんて、そんな。お釣りが来てますよ! お釣り分は今度支払いますね!!(笑)

えへv 諸手挙げてほめてる私ですが、でも、清純派主張は認めませんよ♪
一緒に落ちるとこまで落ちましょ…(笑)。




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