--+--- 拝啓、あなたへ。 ---+--



BY ニイラケイ






     
 
拝啓

こんにちわ。
元気にしてますか?
ちゃんと食べてる?きっとまたいつもみたいに寝食忘れて
研究に没頭してるんじゃないかと、みんなで心配してます。

こっちは、相変わらずです。
きっとその辺のことは真砂子からの手紙で知ってるだろうから、
あたしの近況を少々。

今は、バイトも休みになってるし、とりあえず学生生活を満喫してます。
バイトがあった頃には、あんまり友達と遊びにも行けなかったから、
カラオケとかウィンドウショッピングとかね。
今のうちに取り戻そうと、頑張って勉強もしてます。
たま〜にだけど、綾子や真砂子にも会うんだよ。
二人とも忙しいみたいだけど、時間割いてくれたりして、
すごく嬉しく思ってます。


あたしは元気です。
でも、悔しいけどちょっと淋しいな、と思ったりもしてます。
こっちに戻ってくるまで、きっとまだまだ時間がかかるんだろうけど、
今はおとーさんやおかーさんと、仲良くね。
あたしが言う事じゃないけど、親孝行は親のいるときしかできないんだからね。


それでは、またね。

                                         敬具

谷山 麻衣







手紙が届いたのは、こちらに戻って丁度1ヶ月後のことだった。
どうせ、葬式のことを考えて、全てが終わった頃だろうとか、
そんなことを気にした結果なのだろう、と何となく思った。


一切ジーンのことに触れず、ただ自分の近況とこちらを心配するといった旨の手紙は
僕が日本に帰ることが決まるまで続いた。
返事は書かなかった。
電話も、する気にならなかった。



「谷山さんたちは、相変わらずなのでしょうね」
渋谷へ向かうタクシーの中で、リンが不意に口を開いた。
「さあな。手紙は来ていたが」
リンの所へも同じような文面の手紙が届いていたことは知っている。
わざわざ、送料の高いエアメールを、麻衣は送り続けたのだ。
麻衣だけではない。
他のメンバーからも、何度か手紙が届いた。
電話は特に来なかった。
何だか気恥ずかしくないか?電話するのって、と随分あとになってぼーさんが言っていた。

「懐かしいですか?」
「たった半年で?」
失笑を返すと、リンも微かに笑った。
「半年は長いですよ」
半年経てば、別人のようになっているかもしれません。
リンはこちらを見て、意味深に言う。
誰のことだ?
と問うたが、リンからの返答はなかった。




タクシーを降りて、精算を済ませているリンを置いてさっさと事務所へ向かう。

ブルーグレイのドアの前に立ったとき、
リンの言ったことが何となく解った気がした。


ドアの向こうから、変わらない少女の声が聞こえた。
 
     






所々、設定とか間違ってるかもですが、(時間的な設定が特に)
急いで書いたのでその辺は許してやって下さい><;;;;
追々直します・・・。

さて、そんなこんなでナルの誕生日記念なのですが、
ちょっと私的に思うところありまして、今回はナルが麻衣にべたべた、みたいなのはやめよう。
とちょっと考えていたので、やけに静かな話しに・・・。(反省)
ナルX麻衣、という基本を変えずに、上記の点もクリアして、尚かつナルの視点、というのは、
思っていたより難しかったです・・・(泣)

(そして、こっそり気になってるのは、誰かとネタかぶってんじゃないかと、冷や冷やしてるんです。
いや、いつも悩んでることだけど。
創作やってる上で、一番怖いところですよね・・・。
これは、他の作品でも言えることなんですが、
もしも○○さんと被ってるぞ、と思われたら、是非メールにて教えてやって下さい・・・。
即行で削除いたします。)



ハッピーバースデイ、ナルv
あなたが生まれてきたことが、私の喜びです。
そして、
ハッピーバースデイ、ジーンv
私にとっては、あなたはまだまだ謎の人です・・・。(辛)