2次創作では、一種の様式美となっている『ガウリイを呪文で吹っ飛ばす』オチ。
常々、「そんなに吹っ飛ばしてたっけなあ?」と疑問に思っていたのですが、ふと「『そんなに』どころか1回もやってないかもしれない!」と思い当たり、検証してみました。
長編15巻までで、リナさんがふるった暴力を列記したものが、下記です(大笑)。
1 | - |
---|---|
2 | ・足を踏みつける ・こめかみに跳び膝蹴り ・あごにパンチ |
3 | ・顔面に蹴り(×2) |
4 | - |
5 | ・アッパー ・スリッパ |
6 | - |
7 | ・本の角で殴る |
8 | ・頭に跳び蹴り ・張り手 |
9 | ・敵と一緒に、魔風で吹っ飛ばす ・大人の頭ほどの石で後頭部を殴る ・こめかみにエルボー |
10 | ・蹴りを入れようとする(場所柄を考えてやめた) |
11 | ・腕で首を絞める |
12 | ・顔面にパンチ |
13 | - |
14 | ・うしろあたまにチョップ ・背中に跳び蹴り |
15 | ・必殺アッパー ・軽い蹴り ・スリッパ |
ということで、呪文で吹っ飛ばしたと言えるのは9巻の1回、ただし別に腹を立てたとかツッコミを入れたとかではなく、作戦行動の一環でした。
やはり、日常の範囲で呪文で吹っ飛ばしたことはありません!
……まあ、十二分にひどいことをしていますが……。
意外にスリッパも2回だけですね。
頭部に対する攻撃が多いようですが、リナとガウリイの身長差で頭に攻撃するというのはなかなか大変なのではないかという気がしてなりません。力、入らないんじゃないかなあ……?
少なくとも、頭を蹴るのは相当難しいと思います。たぶん、痛いと言うほどの痛さではないはず。
ただ、頭に跳び蹴りしている2回は、2巻が金貨を2つ割にしたシーン、8巻がガウリイを助け出したシーンで、どちらも高いところに登るなど準備モーション付きのネタ行動です。
『石で後頭部を殴る』が飛び抜けてひどいです……。
呼称についての語りでも同様のことを書いたのですが、2部に入ってから乱暴なんですよリナ……。やってることも過激だし、回数も多い。
こうして列記すると、ガウリイがかわいそうになってきますorz
理由としては、『悪口を言ったから』『悪口に乗ったから』その報復として、というものが多いです。
暴力行動に注目してよーく見てみると、ガウリイのボケに対するツッコミとして暴力をふるうことは、非常に少ないのです。いや、ほんとに。
じゃあ、ガウリイがボケた時はどう反応しているかというと、
1位 怒鳴る (ほとんどがコレ)
2位 心の中だけでツッコミを入れる→口ではちゃんと説明してやる (意外に多い)
――――――壁――――――
3位 ズッコケる (最初の内は多かった)
同率3位 殴る/蹴る
5位 呆れる/めんどくさがる
といったところでした。
わりと冷静なんですよね……。
これも数字で出したかったんですが、どこまでボケでどこまで本気としていいのか判断が難しく、カウントは断念しました。
2 | ・おしりをさわられ、トレイの角で殴る →ランツ |
---|---|
6 | ・騒ぐ街の人たちを黙らせるため、爆炎舞 →誰もいないところへ向けて (運悪く当たった人がいたが、それは無視) |
9 | ・顔面を殴る →ニセ魔法剣村の村長 ・顔面を踏む →ルーク |
10 | ・悪口を言われて、竜破斬を唱えようとした?(本気だったか不明) →ドロボー |
11 | ・顔面を踏む →ディラール |
13 | ・顔面をコップで殴る →飲んだくれのおっちゃん |
15 | ・戦いの邪魔になる一般人に当て身 →食堂の客たち ・スリッパ →メフィ |
こちらも、作戦行動と腹を立ててやったものと、2つにわけられるでしょう。
『騒ぐ街の人たちを黙らせるため、爆炎舞』『戦いの邪魔になる一般人に当て身』は、『盗賊を人質と一緒に吹っ飛ばす』と同様、一種の作戦行動と考えられます。
ものすごく乱暴な作戦の立て方をするのは事実ですが、理性の制御下と言えます。
『カッとなってやった』『ムカついたから報復した』というわけではないので、今回問題にしている『感情的に魔法を使うことがあるか』の範疇には入らないと思います。
ムカついて反射的に乱暴を働いたのは、それ以外。
そのうち、ルークとドロボーはリナの悪口を言ったから。
ニセ魔法剣村の村長とメフィに対するものは、激しいツッコミの一種でした。
問題は『ドロボーに悪口を言われて、竜破斬を唱えようとした?』が本気だったかどうかですね……。
対ガウリイ含め、腹が立ったというだけの理由で呪文を唱え出したのは、この時だけです。
ここではガウリイに止められてやめているのですが……うーん、私にはリナが宿内で竜破斬を使うほどバカではないと思えるので、単に脅しで唱えたと感じました。風魔咆裂弾とかならともかく。
ですが、決定的証拠はないですね。本気だったということも、ありえないとは言い切れません。(違うと思うけど……)
さて、ここで気になるのが『ムカついて、あるいは照れ隠しで反射的に魔法をぶっ放す』リナさんのイメージはどこから来たのか、というもの。
すぺしゃるの方はちゃんと確認してないのですが、確実に1回このイメージ通りの行動を取っているシーンがあります。
すぺしゃる1話で、入浴中に近寄ってきたフィルさんとランディをびっくりして吹っ飛ばしてしまった、という部分です。
たぶん、反射的に魔法を使ってしまうというのは、このシーンから来るイメージだと思うんですよねぇ……。
また、2巻で食事中に煙草をふかすタリムに対し、『食事中にタバコなんぞふかすなと言いつつ、青魔裂弾波をぶちかましたいが、自制した』というような言葉があります。これも、そのイメージのルーツの1つだと思います。
ただ、これに付随して書かれていた『大人になったなぁ、あたし……』という文言が、私としてはかなり気になります。
大人になったんじゃないだろうか、リナさんは。
すぺしゃるに比べると、沸点が上がって、簡単にはキレなくなったんじゃないか、そう思えてなりません。
リナさんが、ちょっとしたことでかなり過激な暴力をふるう、というのはまぎれもなく事実です。
ですが、その内容は主に『殴る・蹴る』。
すぺしゃる時代はいざ知らず、本編の時間軸で呪文を使う時にはそれなりの考えあってのことではないでしょうか。(理由さえあれば味方もろとも平気で吹っ飛ばすのは、変わりないですが)
また、ガウリイのボケに対して暴力で応える率は低いということも言えると思います。0ではないですけどね。
悪口に対して暴力で応えることは、大変多いです。自分の悪評、けっこう気にしてるんですね、リナさん(笑)。
冷静さと突き抜けた暴力の混在するリナさん。
上手く描けたらいいんですけどね。
(10.01.23)